忍者ブログ
管理人が好き放題やりたい放題書き散らしてる同人テキストです。



42 60 34 46 69 59 61 33 58 32
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

なんちゃって上下誘拐話(見切り発車)
超誰得で超俺得な話です
オリジが出張りまくる残念さ
それでもおkな方はRead more?からどうぞ


カントー某所、ロケット団基地にて

「何か面白い事ないかな~」

ロケット団らしくない色味のある制服を着た男。
その男の長髪は海底を思わせる青で、
毛先は澄み切った空の色という不思議な髪色をしている。
男の名はブルータス。
これでも幹部クラスらしいが、
仕事は遊びの二の次という困った人である。
今も面白そうな事を探してフラフラと基地内を彷徨っているのだ。

「お、あれはスオウだ。」

男の遥か前方にキツいピンク色でクセのある髪をした少年が
背中を壁に預け腕を組み、何かを見つめている。

「スオウがここにいるのは珍しいね。」

スオウと呼ばれる少年はブルータスの部下である。
彼は遊び人の上司と違い、真面目に悪の仕事をこなし
ポケモン収集、資金調達などのため他の地方に行っていたりする。
そんな彼はあまりカントーの基地で見かけることは無い。

「何を見ているのかな?」

スオウが何を見ているのかがブルータスは気になり、
気付かれないように忍び寄る。
一方、スオウは見るのに夢中らしく、
ブルータスが近付いていることに気付いていない。

「あれは・・・したっぱの兄弟、だったかな。」

観葉植物にブルータスはコソコソと隠れながら、
スオウを覗き見る。
彼の見つめる先を辿っていけば、
そこには楽しそうに話し合うしたっぱの兄弟がいた。

「僕も兄弟がいたら少しは違ったのでしょうか・・・」

何処か悲しげな表情をして独り言を呟くスオウ。
彼が感情的になって怒るのをブルータスは見かけたことがあるが、
あの様な表情を見るのは初めてだ。

(確か、スオウは一人っ子だっけ)

生い立ちを詳しく知っているわけではないが、
スオウは元々お金持ちのお坊ちゃまと聞いたことがある。
裕福で幸せな生活を送っていたが、
一人っ子故に両親から過剰な溺愛を受け
嫌気が差したスオウは家出をしたらしい。
そして、家出中のスオウを拾ったのがブラット博士。
彼は、ロケット団に所属する研究員。
稀に外出先で拾い物をしてくることがある。
なにが面白くて子供を拾ってきたのか、理由は誰も知らない。
しかも、ブラット博士は研究が忙しい等と言い訳をして
ブルータスにまだ小さなスオウを押し付けたのだ。

(だったら拾ってくんな!って言いたかったけど)

小さなスオウを見てそれは言えなかった。
自分にまだ良心が残ってたんだなぁ・・・
と、感傷に浸ったのをブルータスは覚えている。

(まぁ、スオウは大人しい子だったし)

お坊ちゃまだからきっと我侭なのだろう
と思っていたら、それはとんだ勘違い。
自分より礼儀を知っている大人びた子供だったし
それなりに聞き分けもよかった。
しかし、いくら大人びたと言っても中身は子供。
ニンジンは嫌いだのセロリは嫌いだの好き嫌いは激しいし、
歩き疲れてくると抱っこしろ!と言ってきたりした。
なんだかんだで、色々と手を焼いた気がする。

(でも、随分と大きくなってしまったなぁ・・・)

今はもうニンジンもセロリも食べるようになったし、
きっと抱っこしろなんて言わないないだろう。
そんな風に何処か親父臭い事を思ってしまうブルータス。

(いやいやそれより、スオウは兄弟が欲しいのか・・・)

昔の記憶に浸りかかった頭を振り、現実に戻す。
スオウは一人っ子故に兄弟というものに憧れがあるのだろう。
残念ながらロケット団にはスオウと歳の近い者はあまりいないが、
ブルータスは団員を兄弟にしようとは考えていない。

「そうだな・・・このブルータスが何とかしよう!」

まだ何も決まっていない様だが、
思ったが吉日。
すぐに行動を起こしたいブルータスは
スキップしながら自室へと向かって行った。










「うーん、兄弟兄弟・・・誰がいいかな?」

腕を組み、眉間に皺を寄せ、唸りながら
ブルータスは部屋の中を行ったり来たりしていた。
部屋の傍らで、彼の手持ちである色違いの青いキリキザンが
その様子を静かに見ている。

「そうだ!サブウェイマスターにしよう!」

いい考えが思いつた!とばかりに、ブルータスはポンと手を叩く。
サブウェイマスターとは、イッシュ地方で
"地下鉄最強の双子"
と呼ばれるバトルサブウェイのボスである。
そんな二人を気軽に連れてこようと考える辺り、
きっと理由は安易なものなのだろう。
キリキザンも冷めた目を向けている。

「多分、歳も近いだろうし、双子でサンドウィッチならきっと喜ぶね!」

やはり安易な理由だった。
スオウがそれで喜ぶとはあまり思えないが、
彼が喜ぶ姿を思い描いて、ブルータスはウキウキしている。

「さぁ、行こうか。サブウェイマスターを誘拐しに。」

そう言ったブルータスの顔は
いつもの飄々とした顔ではなく、悪人の顔だった。
この男が遊び人と言えど、やはりロケット団の一員なのである。
ブルータスが部屋を出ると、キリキザンもその後に続き部屋を後にした。


PR
カレンダー
02 2025/03 04
S M T W T F S
1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31
プロフィール
HN:
禅米(ぜんまい)
HP:
性別:
女性
職業:
不健康日本腐女子
趣味:
音楽を聴く、絵を描く、エレキギター
自己紹介:
超気まぐれで脳内熟成発酵しちゃってます。
最古記事
(10/15)
(10/21)
(11/04)
(11/25)
(12/12)
ブログ内検索
バーコード
忍者ブログ   [PR]