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管理人が好き放題やりたい放題書き散らしてる同人テキストです。



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沁月さんより、HGSSロケット団幹部で何か一作
というリクを頂きましたので、
ロケット団解散しちゃってただの酒飲みオッサンと化してるラムダと
アポロが悪徳営業再開するということで、
ラムダを連れ戻しに来たランスの話を書かせて頂きました(長
ちゃっかりスオウの名前も出てきちゃってます、なんだか申し訳ない><
苦情等ありましたら、沁月さんのみ受け付けております。










某所、どこかのバーにて
ランプの光が店内を淡く照らし、静かな音楽が響いている。
客の数は少ないが、自分の世界と酒を楽しむには丁度いいようだ。

その中でも一人の男が情けない姿を晒しながら酒を飲んでいる。

「なんで解散宣言しちまうんだよぉ…」

空の酒のボトルが数本置かれているテーブルの上で項垂れながら、
まだ中身が残っているボトルに手を伸ばす。
どうやら、結構飲んでいるようだ。

「いくら子供に負けたからって解散はねーだろ。解散は。」

グラスに酒を注ぎながら、独り言を続ける。

「ロケット団は不滅とか言ってたの誰だよ。チクショウ。」

この男はあの悪の組織で有名なロケット団にいたらしい。
今の姿からはとても想像できない。

「俺様もう駄目だぁ…」

そう言って、乱暴にボトルを置くとまたテーブルにうつ伏せになってしまった。

「どこ探してもいないと思ったら、こんな所にいましたか。」

新しく入ってきた客は、店の中を見回し
ブツブツと独り言を言っていた紫色の髪をした男を見つけると
大きな溜め息をつき、その男に近付く。

「んー?お、ランスちゃんじゃねーの。」
「ラムダさん…これではただの酔っ払いのオッサンですよ…」

聞き覚えのある声に男は顔を上げた。
新客はどうやらこの酔っ払いの知り合いのらしい。
彼の情けない姿にランスと呼ばれる男は呆れた。

「そうだ、お前も飲んで行け~」
「酒臭っ!!貴方どれだけ飲んでるんですか!!」

酒を勧めながらイスから立ち上がると、ランスに絡もうとするラムダ。
しかしラムダから漂う強いアルコール臭に、
ランスはラムダを避ける。

「もー、つれねーなぁ…ランスちゃんは。」
「私に酒を飲んでいる暇はありませんから。」

ランスに避けられたラムダはいじけて口を尖らせ、
自分の座っていたイスに戻ると、グラスに残っている酒を飲み干す。

「じゃあ、ちゅーしようぜ。ちゅー。」
「気色悪いですよ、止めてください。酷い事しますよ。」

いじけたかと思えば、急に変なことを言い出す始末。
これでは本当にただの酔っ払いだ。
先ほど尖らせた口をラムダが近付けてくるので、
ランスは思いっきり手で押し退ける。

「ちぇー、ノリわりぃな。」
「アポロに貴方を連れ戻して来いと言われましたので…」
「あんだよぉ…俺様は帰らねーぞ。」

ノリが悪い事と、連れ戻しに来たという言葉が気に食わなかったのか
ラムダはまるで駄々をこねる子供の様にプイと顔を背けた。
その様子を見て、ランスは溜め息をつく。

「馬鹿言わないで下さい。大切な資金を無駄に使ってしまってるんですよ!貴方は!」
「そんなキーキー言うなよ。頭痛ぇ。」
「飲み過ぎの貴方が悪いんです!」

静かに話し始めたランスだったが、
ラムダがかなり資金を使ってしまってる様で、
最後の方はかなり強めに言うと同時にテーブルをバン!と強く叩いた。
その音に何人かランスとラムダの方を向いたが、
このくらいは日常茶飯事なのか、すぐに酒を楽しむ事へと戻っていった。
叫ぶほどの大きさではなかったが、思わずラムダは耳を手で塞ぐ。
その様子を見てランスはふんと鼻を鳴らして両腕を組む。

「そもそも、貴方が使ってるお金はスオウが新しい地方に行って集めたものです。」
「ふーん。」

まるで他人事の様にラムダは生返事をする。
そのやる気の無い返事にランスは眉を吊り上げた。

「ふーん…じゃないですよ!酒を飲むことだけに使われると困るんです!」
「何が?」
「何がって…貴方…」

むっとしたランスは思わず熱くなってしまうが、
やる気の無いラムダの言葉にランスは呆れて次の言葉を無くした。

「年下の、しかも子供がちゃんと仕事をしているのですよ?恥ずかしくないんですか?」
「別に、俺様は気にしないけど。」
「はぁ…この人にプライドはありませんでしたね。」

スオウのことを子供と言ってしまうのは失礼だとわかっているのだが
この時ばかりは、そうでも言わないと説得できそうになかった。
しかし、その効果は全く意味が無かったようだ。
今更ながらこの飲んだ暮れている男にプライドが存在しない事を
ランスは思い出して、さらに深い溜め息をついた。

「またロケット団を復活させるんですよ?」
「俺様、今そういう気分じゃないの。」

再び悪事を始めると言うのに、全く乗り気でないラムダ。
彼は中身が残っている酒が無いか探し始めた。

「はー…全くこの人は面倒臭いですね。」

全く戻る気が無いラムダに段々腹が立ってきたランス。
この調子では何を言っても、もう駄目だろうと思ったランスは
力尽くで酒を探しているラムダを引っ掴み、そして

バシッ!!

「痛てぇっ!!何すんだよランスちゃん!」

ラムダの頬に平手打ち。
相当強力な平手だったのかラムダは椅子から落ちた。
これには数少ない客が何事かと二人に視線を向ける。
滅多にランスが手を出す事はないのだが、
今日ばかりは抑えられなかったようだ。

「貴方がいつまでも泣き言を言っているからです。」
「だからって平手はねーだろぉ…超痛い。」

引っ叩かれた頬を擦り、椅子から落ちたラムダは涙目になりながらランスを見る。

「おや、一回では効果が無かったようですね?」
「ばーっ!ちょ、もういらないから!いらないから!」

ラムダは悲痛な叫びを上げたが、反省の色が見えないため、
ランスはわざと聞こえていないフリをする。
きっと彼のことだから少し楽しんでいるところもあると思うが…

「どうやらもう一回必要なようです。」
「ごめんなさい!ちゃんと帰ります!勘弁して下さい!」

再びラムダを引っ掴み、平手をお見舞いしようとすると
すごい勢いでラムダが土下座した。
様子を見ていた客はただの痴話喧嘩かと解釈すると
酒を楽しむことに戻る。

「それでいいんですよ。最初からそうして下さい。」
「はい…すみませんでした。」

全く手のかかる人ですね、と言いながら
土下座をしているラムダを立ち上がらせる。

「私のおかげで酔いも冷めた様ですし、さっさと帰りますよ。」
「くそー、自称冷酷のクセに…」
「何か言いましたか?」
「いいえ!何も言ってません!」

踵を返して、さっさと店を出ようとするランス。
ボソリと彼にに聞こえない様、悪口を言ったラムダだったが、
ランスが怪訝な顔をして振り返ったので、とりあえず何も言っていないことにした。

(もう、平手はごめんだ!)

余程ランスの平手が痛かったらしい。
ラムダは今後、ランスを怒らせないようにしようと肝に銘じた。

「言っておきますが、貴方が使ってしまった資金は返してもらいますからね!」
「それって当分給料無しってことか?」
「当たり前です。」
「マジかよ~」

釘を刺すかのようにランスがキツめに言った。
ロケット団の大切な運営資金でもある物を使ってしまったのだ。
自業自得とわかっているが、ラムダはがっくりと項垂れる。

「ちゃんと返すまで私が見張ることになってます。」
「あぁ!?なんだよそれ!」
「貴方が真面目に返してくれれば何もしませんよ。」
「くそ~、当分ランスちゃんと一緒かよ…」

多分、アポロの考えた事だろうと思ったラムダは
今更ながら飲み明け暮れていたことを後悔した。
今後ランスが一緒となると気軽にサボることもできないだろう。

「あ、言い忘れてましたが、アポロも怒ってましたよ。」
「アポロもかよぉ…あいつ怒るとアテナよりめんどくせぇんだよな。」
「自業自得ですよ。たっぷり叱られてください。」
「へーい。」

帰ってもまた怒られるのかよ…と、ラムダは気持ちが沈んだが
アポロに怒られるのはこれが初めてではない。
どうすれば許してもらえるのかぐらいは知っている。

「はぁ…ランスちゃんの平手も食らっちまったし、ひでぇ日だ。」
「ほら、さっさと行きますよ!」

とんでもない日だなと思いながら、店を出ると夜が明けようとしていた。
薄明るくなってきている空をラムダは見つめる。
あまりにものろのろとしているので、
先に行ってしまったランスが遠くで叫んだ。

「ま、ロケット団復活するみたいだし、良しとすっか。」

また痛い思いをするのは嫌なので、足早に追いかける。
こうしてラムダはロケット団へと戻されるのであった。
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不健康日本腐女子
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自己紹介:
超気まぐれで脳内熟成発酵しちゃってます。
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