忍者ブログ
管理人が好き放題やりたい放題書き散らしてる同人テキストです。



42 60 34 46 69 59 61 33 58
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

超創作なお話だよ!そして超自己満足^q^
ルシファルとアーサーの物語的な何か
かなりやっつけ感があります
それでもおkという方は、Read more?からどうぞ




むかし、むかし
あるところに王様と女王様がいる国がありました
何事もなく、平和な国





ある時
ついに待望の赤ん坊が女王様のお腹に宿りました
世継ぎが生まれればこの国は安泰だと
王様と女王様はとても喜びました

そして赤ん坊が産まれました
しかしその赤ん坊は普通ではありませんでした
数日して目が開いた赤ん坊を見て
王様と女王様は悲鳴を上げました
なんとその赤ん坊は右目が赤、左目が緑のオッドアイだったのです

この国の言い伝えでは、オッドアイの子は"悪魔の子"と呼ばれ
災いをもたらすと言われていました
王様はこの赤ん坊をすぐに殺すようにと言いましたが
女王様はそれを拒みました
自分がお腹を痛めて産んだ子を失いたくなかったのです
困り果てた王様はなんとか女王様と話し合い、
この赤ん坊を決して外に出さず
城に閉じ込めておくということで女王様は渋々納得してくれました

しかしこのとき王様は
この赤ん坊を生かしておこうと思っていませんでした
オッドアイの赤ん坊が生まれたことは城の中での機密とし
国民が知ることはありませんでした

そして二年後、
新しい命が女王様のお腹に再び宿りました
またオッドアイの子が生まれるのではと心配しましたが
今度の赤ん坊は両目とも緑でした
王様はこの子を世継ぎとして決めたのです





「兄上。」
「その呼び方は止めろって言った。」
「じゃあ…兄さん。」
「あんま変わんないけど、まぁ、いいや。」

アンティーク調のソファにだらしなく寝転がっているのはルシファル。
彼はサイズの合ってない大きな服を着ている。
一方、向いのソファに座っているルシファルとは真逆に
きっちりと正装を着ているのがアーサー。
これでも二人は血の繋がった兄弟である。

「兄さん、少しは髪をとかしてくださいよ。」
「えー、今のままでいい。」

確かにルシファルの黒い髪は手入れをしないため
伸び放題でボサボサだ。

「では、僕が結ってあげますね。」
「ん。」

ルシファルは面倒臭がりで、あまり自分から動こうとはしない。
大抵、他人任せである。
アーサーはルシファルの隣に座ると、
新品のまま、テーブルの上に無造作に置かれているブラシを手に取る。

「……」
「何?」

急に髪をとかすアーサーの手が止まった。

「父上は何故、兄さんを嫌うのですか?」
「それ聞くの何度目だよ…」
「僕には分からないんです。」

自分の所に来ては決まってこれを聞いてくる。
ルシファルは面倒臭そうにため息をつく。
彼にとってはどうでもいいことの様だ。

「災いが起こったらみんな困るだろ?」
「……」
「アーサー?」
「兄さんは何も悪い事してないじゃないか。」

そんなのはただの言い伝えであって、ルシファルが何かしたわけではない。
何もしていないのに、何故血の繋がった兄が閉じ込められているのか
幼い頃はその理由がわからず、兄と遊びたいと言っては父親によく怒られた。

「母上は兄弟なのだから仲良くしなさいと仰ってました。」
「そっか…」

そう言ったアーサーは止まっていた手を動かし、
再びルシファルの髪をとかし始める。
素っ気無く返事をしたルシファルだが、
自分が今ここにいるのは母親のおかげということを知っている。
他にも彼が怠惰な性格の持ち主で、外に出たいと思わなかったこともある。
でなければ、今までここに居られなかっただろう。

コンコンコン

「どうぞ。」
「失礼します。アーサー様、そろそろ戻られた方がよろしいかと。」

扉がノックされ、ルシファルが入るように促すと
扉が開き、メイドがお辞儀をしてから感情の無い声でそう言った。
彼女はルシファル専属のメイド型機械人形。
ルシファルの事が外に漏れない様にするため、
人ではなく、命令に忠実な機械人形を使っているのだ。
彼女以外にも複数の機械人形達がルシファルの周りを管理している。

「ここにいることを父上が知ったら怒るからな…」

本当は兄と一緒に居たいのだが、
アーサーがルシファルと一緒にいることを父親は酷く嫌がる。
機械人形達の主人はアーサーとなっているので、
ルシファルの元に来ている事を父親に知られる心配は無い。
しかし、万が一ここに来ている事が知れたら、
兄に二度と会えなくなってしまうかもしれない。

「僕と同じ赤いリボンでいいですか?」
「ん。」

高い位置に髪を纏め上げ、取り出した赤いリボンで縛る。

「はい、できました。」
「ありがと。」

ルシファルは仕上がった自分の髪を触りながら
満足そうな顔をして、アーサーにお礼を言う。
嬉しそうな兄の姿を見ながら、
アーサーは名残惜しそうにソファから立ち上がった。

「また、来るよ。今度は本を持って来る。」
「うん。」

アーサーの姿が扉の向こうに消えてしまうと、
一人になってしまったルシファルはソファに再び寝転がった。

「何の本を持ってくるのかな?」

全てに置いて面倒臭がるルシファルだが、
アーサーが持ってくる本は、唯一の楽しみでもある。
この前は、極東にあると伝えられる極楽浄土の本を見せてもらった。
極楽浄土には見たことも無い程美しい植物や極楽鳥、
さらに素晴しい景色があるらしい。
そしてそこには華やかな天上人が住んでいると言う。

「俺も天上人だったらよかったなぁ…」

極楽浄土はまだ誰も行った事の無い場所。
本に載っていた挿絵や言葉は本を書いた人の空想かもしれないが、
挿絵の天上人が誰にも束縛されず、自由に空を舞い、気ままに楽器を奏でている姿は
ルシファルにとって少し羨ましかった。
今でも十分ではあるが、自由気ままというのに憧れているのだ。

「うーん…」

考えるのが面倒臭くなったルシファルはズルリとソファから転がり落ちる。
床にはカーペットが敷かれているが、寝心地は決していいものではない。
しかし、ルシファルはそんなことは気にせず、カーペットに寝転がったままだ。
テーブルの下に目をやれば、アーサーに貰ったクマの人形が落ちていた。
手が届きそうだったので手を伸ばし、人形を自分の方へ引き寄せる。

「眠い…」

クマの人形を抱きかかえるとルシファルはそのまま目を閉じた。
アーサーと二人で極楽浄土に行く夢を見ることを願いながら。
PR
カレンダー
02 2025/03 04
S M T W T F S
1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31
プロフィール
HN:
禅米(ぜんまい)
HP:
性別:
女性
職業:
不健康日本腐女子
趣味:
音楽を聴く、絵を描く、エレキギター
自己紹介:
超気まぐれで脳内熟成発酵しちゃってます。
最古記事
(10/15)
(10/21)
(11/04)
(11/25)
(12/12)
ブログ内検索
バーコード
忍者ブログ   [PR]