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管理人が好き放題やりたい放題書き散らしてる同人テキストです。



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なんちゃって上下誘拐話(見切り発車)
超誰得で超俺得な話です
オリジが出張りまくる残念さ
それでもおkな方はRead more?からどうぞ
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アポロが超まわりくどいやり方でノボリを誘拐しちゃうぞ☆
な話です。まだ誘拐されねぇです。
ロケット団は悪の組織です。超悪徳業者です。
それでもOKな方はレッツスクロール!




















ライモンシティ、バトルサブウェイの駅長室にて

「只今戻りました。」
「…あ、お帰り~ノボリ。」

今日も挑戦者を見事に蹴散らしたノボリが戻って来ると
自分のデスクに座り、ココアを飲んでいるクダリが笑顔で出迎えてくれた。
今日は彼の所に挑戦者は来ていない。
しかし、いつものクダリと違い反応が遅かった。
何か考え事でもしていたのだろうか…

「どうかしましたか?」
「う、うーん…」

様子のおかしいクダリに尋ねながら自分のデスクに座るノボリ。
クダリは言葉を濁したまま、黙ってしまった。
どうやら言おうか、言わないか迷っている様子。
そんなクダリを急かしたりせず、ノボリは黙って次の言葉を待っている。

「…あのね、鉄道員達が話してるの聞いたんだけど、ノボリは知ってる?」
「何をです?」
「ここ、バトルサブウェイを模して悪い事やってる人たちのこと。」
「……」

ここの所、挑戦者が少なくなってきたのはその影響かなどと
悠長なことを思ったが、他人事とは思えないノボリは眉間に皺を寄せた。

「勝つと願い事一つ叶えてくれるけど、負けるとポケモン全部捕られちゃうんだって。」
「……」

悪徳営業としか思えないそれに、ノボリは眉間の皺を増やす。

「勝った人は?」
「なんか最後の二人が強いとかで、いないみたい…」

バトルサブウェイを模したとだけあって、
どうやらその電車にもマスターというものがいるようだ。

「二人…ということはダブルなのですか?」
「そうみたい。」

見過ごしても良かったが、
バトルサブウェイの名を汚されている様な気がした。
すぐにでもここから飛び出して、そこへ向かいたい逸る気持ちを抑え
ノボリは静かに自分のデスクから立ち上がった。

「場所はどこですか?」
「やだー!ボクも行くの!」

ただ場所を聞いただけなのに、
クダリはノボリが一人で行こうとしていることを察知して
ガタン!と自分のデスクから勢いよく立ち上がる。
双子の片割れ、自分の身体の一部でもあるクダリを
ノボリは危険な目に遭わせたくなかったが、
こうなったらクダリは言う事を聞いてはくれない。

「仕方ないですね…危ない事はしないでくださいよ?」
「だいじょーぶ!ノボリとボクなら向かう所敵無しだよ。」

ダブルバトルなら彼と一緒に行った方が心強い。
今日はもうこれで終了だが、もしもの時のために
ノボリは書置きを自分のデスクの上に置いていった。





日の沈んだ頃、使われていないビルが立ち並ぶ場所にて

「本当にここなのですか?」
「うん、この辺だって聞いたんだけど…」

クダリが聞いたところによると、
この人気の無い場所に案内人がいるらしいのだが…

「お、挑戦者か?」

ビルの壁によりかかっている人物が声を上げた。
びっくりしてノボリとクダリは身構える。
彼は街灯の光が届かない場所にいるため、顔はわからない。

「やっと、本命が来ましたか…」

さっきのとは違う声が聞こえた。どうやらもう一人いるらしい。
す、と数少ない街灯の明かりの下に二人が出てくる。
一人は紫の髪でモヒカンの様になって、顎には髭が生えていて
いかにもオッサンという雰囲気を出している。
もう一方は帽子を被り、緑の髪と鋭い眼光を覗かせている。
二人とも黒い服を身に纏い、胸の辺りに赤いRの文字があった。

「貴方達ですか、バトルサブウェイを模して悪い事をしているというのは…」
「悪い事?勝負に負けたらポケモンを頂くのは私たちにとって基本ですよ。」

どうやら彼らにとってポケモンを奪う事は当たり前のことらしい。
ノボリに悪い事と言われて心外だったのか、帽子を被った彼は目を細めた。

「お前等が中々来てくれねぇから、かなりの数頂いたけどな。」
「なっ。」

もうすでにかなりの犠牲者が出ているようだ。
何故このことが自分の耳に早く入らなかったのか、
ノボリとクダリは悔しく思った。

「捕ったポケモン返してあげて!」
「おや、そう簡単には行きませんよ。」

クダリが悲痛な声で叫ぶと緑の方が楽しそうに笑う。

「貴方達が勝てば何とかなるかもしれませんがね。」
「何それ!答えになってない!」

不透明な答えにクダリは不愉快そうな顔をしたが
緑の男は意味深げに笑っている。
ノボリはこの時、何か嫌なものを感じた。

「そう言えば、自己紹介がまだでしたね。私はランスと言います。」
「俺様はラムダ。よろしくな白黒双子!」
「…おじさん、悪者なのに随分と馴れ馴れしいね。」

ランスの機械的な冷たい態度とは異なり、
ラムダはどこか悪者らしくない陽気な笑顔を浮かべている。

「おじさんじゃねー!ラムダって呼べ!」
「こんな所で無駄話してると、上司が怒ります。」
「あ?そうだったな。」

おじさんとクダリに呼ばれ、怒ったラムダだったが
ランスに制され自分の仕事を思い出す。

「それと貴方が余計な事を話してしまいそうなので。」
「手厳しいなぁ、ランスちゃんはよぉ。」
「ったく、このオッサンは…早く行きますよ。私たちについて来て下さい。」

二人の後をついて行くと、そこには大型のトラックがあり
ノボリとクダリはトラックのコンテナに乗せられた。
ラムダは運転、ランスは二人が逃げ出さない様に見張り役なのか
ノボリとクダリと一緒にコンテナへと同乗した。

「どこへ行くのです?」
「さぁ?それは着いてからのお楽しみです。」

エンジンの低い唸り声と共に、トラックが動き出す。
ノボリはランスに行き場所を聞いたが、ちゃんとした答えは返ってこなかった。
コンテナの中には窓が一切無く、外は見えない。
きっと道のりを知られないための手段だろう。





どれだけの時間が経っただろう
コンテナの硬い床に座っているだけで、誰も何も話さない。
クダリはそんな沈黙に眠くなってきたのか船を漕いでいる。
不意にトラックが止まり、エンジンが切れた。
そしてコンテナの扉が開かれる。

「クダリ!起きてください。」
「ん…着いたの?」

ランスは先に降りてしまった。
夢の中へ落ちかけているクダリをノボリは揺すって起こす。
欠伸をしながらクダリは立ち上がり、ノボリと一緒にコンテナから降りる。

「次はこのボートに乗ってもらいます。」

トラックのコンテナから降りると、
ランスが指差す方向に、次はボートが待っていた。
一体何処へ連れて行く気なのだろうか?
クダリは不安になってきたのか、ノボリの腕にしがみつく。

「お、怖くなったか?」
「怖くなんかないもん!みんなボクとノボリでやっつけてやるんだから!」
「こいつは失礼。」

その様子を見ていたラムダがクダリをからかう。
強がっているクダリに謝るが、ニヤニヤしていることから
ラムダに謝罪の気持ちは全く無いのがわかる。

「さっさとエンジンをかけてください。」
「あーあー、わかったよ!」

怖がっているクダリをからかって楽しむラムダに、
ランスの鋭い指摘が飛んできた。
うるせぇなと思いながらも、エンジンの紐を引く。
すさまじい音を出しながらモーターが回りだし、
ボートはこれまたラムダの運転で海を進み始める。





暗い夜の海をボートで移動する中、
前方に何やら明かりが点いた物体が見えてきた。

「…船?」

静かに海に浮かぶ物といえば船くらいしか思いつかない。
しかし、それは近づくことで大きく裏切られることとなる。

「こ、これは…」
「海の上を走る電車なの?すごい…」

二人の目に飛び込んできたのは船では無く、
不思議と波の無い海に、ポツンと浮かぶ七両編成の黒い電車。
車内からは光が漏れ、黒い車体には赤いRの文字が書かれている。
その異様な光景にノボリは唖然とし、クダリは思わず感動してしまった。

「な、すげーだろ。これは…てっ!」
「余計な事は話さないでくださいよ。」

クダリの言葉に調子に乗ったラムダが余計な事を話しそうになったので、
運転しているのにも関わらず、ランスはラムダを思いっきり引っ叩いた。

「だからって叩くことはねーだろーが…」
「貴方がうっかり口を滑らせない様に私がいるんです。」
「くそー全部計算済みかよ。」

叩かれた部分を擦りながらラムダはやられたとう顔をした。

「さぁ、お二人とも乗ってください。」

ボートを最後尾に着けると、扉が開くと共に階段が出現した。
ランスがどうぞ、と手を向けている。もう、後戻りはできない。

「行きましょう。」
「うん!」

ノボリとクダリは顔を見合わせ、頷き電車へと乗り込む。
車内も黒で統一され、座席のクッションのみが赤となっていた。

「あー、あー、マイクテスト。マイクテスト。」

二人が車内を見渡していると
しゃがれた声がスピーカーから流れ、車内に響き渡る。

「ヒヒヒ、悪徳列車にご搭乗いただき、誠にありがとうございます。
 挑戦者が乗りましたので、これより出発致します。発車の揺れにご注意を…
 といってもこの電車は揺れたりしないがね。ヒヒヒ…」

不気味な笑い声が気になるが、アナウンスの通り
この電車は気付いたら走り出していた。
窓の外には海と遠くに見える街の明かりが静かに流れていく。

「さぁ、挑戦者はマスターに勝つことができるのか!?」

これから始まるであろうバトルに供え、
ノボリとクダリは帽子を被り直した。

-多分、つづく-
アポロが、超回りくどいやり方でノボリを誘拐しちゃうぞ☆
な話の始まり的な話です。オリジとアポロしか出てきてない。
ロケット団は悪の組織です。超悪徳業者です。
それでもOKな方はレッツスクロール!




















イッシュ地方、深夜のライモンシティのとあるアパートにて

「……!!」
「うるさいですよ。静かにしてください。」

突然、閉じこもっていたデスカーンが顔を出し
なにやら騒ぎ出した。
ここは安いアパートで、騒がれると上にも下にも隣にも音が伝わってしまうため
近所迷惑になると思ったスオウは注意するが、何故か止めようとしない。

「いい加減に…」

キンコーン!

騒ぐのを止めないデスカーンをモンスターボールに戻そうとした時
玄関のチャイムが鳴った。
すると、あれほど騒いでいたデスカーンはぱったりと静かになり
また閉じこもってしまう。

「誰ですか、こんな時間に…まさか…」

ふと嫌な予感がしたスオウは、キリキザンとズルズキンを
後ろに引き連れ、玄関に向かいそっとドアを開ける。
するとそこには…

「あ、アポロ!なんで貴方がここに…」
「久しぶりですね。」

スオウは珍しく声を荒げた。
まだカントーにいると思っていた同じロケット団に所属する青い短髪をした青年、
アポロが笑顔でそこにいたからだ。

「子供に負けて、挙句の果てに解散宣言までしてしまって
 腐ってるものばかりだと思っていましたが。」

スオウが言う様にアポロはジョウトにてサカキを探すため
ラジオ塔を乗っ取り、ロケット団の復活を宣言したのだが、
結局また子供に負けて解散宣言というなんとも情けない結果になったのである。

「誰が腐っていると?」

腐っている、という言葉が気に食わなかったのか
アポロからふと笑顔が消え、冷たく刺す様な視線でスオウを睨みつける。
しかし、その時アポロの目の前に白い刃が不意に現れた。

「おや、随分と躾のなってるポケモンですね。」

アポロは驚く様子も無く、スオウを守る様に前に出たキリキザンを見て言った。
彼は腕に付いている刃をアポロに向け、敵意を剥き出しにしている。
もう一匹のズルズキンはスオウの足にくっつき、隠れながらも
これでもかと言うくらいガンを飛ばしている。

「いいんですよ、彼は僕の上司ですから。」

スオウがそう言ってなだめると、キリキザンはスッと後ろに下がった。
ズルズキンはまだガンを飛ばしているが。

「こんな所で言い合ってるのもあれですから中に入ってください。」





「それより、イッシュ地方なんかに何をしに来たんですか?」
「"バトルサブウェイ"というのをご存知ですよね。」

何も出さないのもあれなので、スオウはアポロに紅茶を出した。
そして自分の紅茶を置き、アポロの向かいのイスに座る。

「ああ、僕は今そこで受付をやってます。」
「…何故そこに?」
「博士がいきなり電車の設計図が欲しいと言い出しましてね。
 普通の電車より頑丈にできているバトルサブウェイの電車がいいとかで…」

(あのイカレた科学者…また何か企んでますね…)

大きな丸い眼鏡を光らせながら、ヒヒヒと笑う彼の姿がアポロの脳裏を過ぎった。
スオウの言う博士、アポロはイカレた科学者と呼んでいるようだが、
彼はまだ子供だったスオウとアポロをロケット団に入れた張本人である。
名前はブラッド・ビネガー・ベルガモット博士。ロケット団に所属する研究員の一人。
彼は面白いと思うものや、研究ができるならどんな奴にでも手を貸す変わり者。
そして自分の力を盛大に見せ付け、人を怯えさせることを喜びとする彼は
一部の者に"イカレた科学者"と呼ばれているのだ。

「どうやら博士はバトルサブウェイを模した悪徳営業を考えているようです。」
「ほう、それは丁度いい。」

アポロはイカレた科学者の悪巧みにはあまり乗ったりしないのだが
今回は何故だか乗るらしい。

「きっと私が欲しているものも手に入るでしょう。」

不敵に笑うアポロに対してスオウは怪訝そうな顔をした。
きっとアポロのことだから変な物を欲しがってるに違いないと思ったからだ。

「その悪徳営業とやらは、いつ頃始めるのです?」
「設計図はもう盗みました。後は博士が電車を完成させるだけですが…」

スオウが口篭ったのを見て、アポロは嫌な予感がした。

「…どこを走らせるつもりなんです?」
「陸だと目に付きますし、かと言って地下にトンネルを掘るわけにもいきません。
 ので、博士は海に走らせると…」

無謀とも言えるそれにアポロは溜め息が出る。
あの科学者らしいと言えばそうであるが…

「色々不安な点はありますが、僕は博士を信じています。」
「そうですか…で、誰が乗るのです?」
「僕はもちろんのこと、イッシュに連れてきたしたっぱ達と僕の部下に、それとリオットさんです。」
「あの神父はまだロケット団に?」

最後に出てきた名前にアポロは眉間に皺を寄せた。
アポロは一度だけ、リオットに会った事がある。
彼はいつもビクビクと何かに怯えており、しかも神父ときた。
どう考えても悪人には不向きな人材としか言えない。

「まぁ、アポロでもいいと思いますよ。」

そう言って、スオウは紅茶を啜った。
リオットと比べればアポロの方が豊富な知識があり、ポケモンも強い。
しかし、あの神父のことだ。
自分が関わっているということになると、首を突っ込んでくるに違いない。
悪い事をしたくないなら止めとけばいいのに、何故か彼は関わろうとする。
スオウにはリオットのそうしようとする理由が全くわからなかった。

「では、電車が完成したら私に連絡をしてください。」

長居をするわけにもいかないので
アポロは出された紅茶を飲み干すと、席を立ち上がる。
が、ふと大切なことを思い出してアポロはスオウの方を向く。

「ポケギアは持っていますよね。」
「当たり前です。大切な連絡手段ですから…」

イッシュではライブキャスターという優れた物があるが
あえてそれは使わず、ジョウトで使われているポケギアを
彼らは使っているようだ。

「見送りしますよ。」

スオウもアポロを見送るため、席を立ち一緒に玄関へと向かう。

「夜分に失礼しましたね。では、私はこの辺で…」

外へ出ると、アポロはモンスターボールからクロバットを出し、掴まる。
そして、闇が広がる夜空へと舞い上がり、彼方へと消えていく。

「……」

アポロを見送ったスオウは少し沈黙した後、自分の部屋へと戻った。


-つづく?-
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女性
職業:
不健康日本腐女子
趣味:
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超気まぐれで脳内熟成発酵しちゃってます。
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